ボディワーカーの現状


癒しブーム到来によって起きた現状


1980年以降の癒しブームによりリラクゼーション・エステ業界は大きく変化を遂げました。

 

それ以前は、高価な贅沢品として中・高流の娯楽として位置付けられていました。施術価格も高額で質も問われていたので誰でも手軽に施術者になるような職業でもありませんでした。

 

国家資格である按摩・マッサージをはじめとする鍼灸、柔道整復師などが施術しなければいけない制限の中、国家資格を持たないボディーワーカーはグレーゾーンとして位置付けられて雇用や収入面で資格者とは格差をつけられていました。

 

そこで整体師をはじめとする民間資格制度が知識と技術を学び、有資格者として営業をし、全国に広がっていきます。国家資格者のように国の保険適応はないものの、研究された詳しい知識を持った整体師は一般の支持を受けて一気に広がっていきました。

 

その流れを受け、業界の波は一般人も手軽に受けられる娯楽や誰でも手に職をつけられる民間資格時代へと移行していったのです。

 

物欲の娯楽から癒しのような目に見えないものへの娯楽に投資する、健康維持、感性やメンタルを大切にすることへのお金や時間の使い方が確立していきます。

 


業界全体の社会的信用が低すぎる


 

現在、数えきれない種類のボディワーク系民間資格が存在しています。

 

そして、星の数ほどのボディーワーカーもたくさんの資格を取得しサロン経営しています。

 

その中で、どれだけのボディーワーカーたちが順風満帆な経営を営んでいるでしょうか。

 

ある報道では、今日のサロン個人経営者の8割は半年以内に消えるとも言われています。

 

一大事業に成長した社会的にも認知されているリラクゼーション・エステ業界であるはずなのに、なぜこのような現状があるのでしょうか。

 

人を癒すことのできる温かみのある仕事に魅せられて、多くの人が資格試験制度の門をたたき、そのための学校にお金と時間を費やし認定された資格取得で手に職をつける。

 

それを活かしてボディーワーカーとしての活動を始めるけれど、資格はあっても技術と経験値が伴わない壁に挫折してしまうのではないでしょうか。

 

資格取得で通った学校の卒業後講習はあるものの、実際は実習時間や自信をつけるまでの猶予は与えてもらえないのが現実のようです。

 

これでは浅い経験と膨大な仕事量に追われて、質を問うことや社会的に確立していくなど遠い話でしかありません。

 

ボディーワーカーを夢見て資格を取ろうと時間をこなし多大な金額を投じても、無責任な営利主義の民間資格業者によって認定書はもらうけれど丸投げはあまりにも無責任といわざるおえません。

 

リラクゼーション・エステ業は心身を癒し満たすことやホスピタリティを目的に存在するものなので、質の高い接客や気持ちの余裕がなければ成立しないのです。

 

 

 



雇用の安定


 

個々での活動でサロン運営しているボディーワーカーが圧倒的に多いため、先輩の技や手技を学ぶことでの向上は望めず、他のボディーワーカーの活動も把握できていないのです。

 

孤立したボディーワーカーは技術も経験も情報も不足しています。

 

ここ数年店舗展開されているチェーン店格安サロンも初心者に指導して個人事業主として委託の契約を結び、その後は形ばかりの研修制度をうたっていますが現実には管理者も指導者もいなく我流に主義が変わってしまう場合がほとんどです。

 

そこで起きてしまった事故は個人事業主ということで自己責任となります。

 

今後も更なる需要の見込めるリラクゼーション・エステ業界は質の高い施術者を多く輩出することによって業界規模はさらに拡大していくでしょう。

 

質を上げていくことは単価を上げ、収入の向上につながります。

 

収入が安定すると長く働くボディーワーカーが増え、更なる技術や質の向上が見込めるのです。